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■ふたり往復5千円!
近年ヨーロッパに「格安エアライン」というものが存在することは、乗り物ファンの方なら耳にしているだろう。要は旅行代理店を介さないインターネット予約、同一機材導によるメインテナンスコスト低減、そして自由席化や機内食サービスの有料制などでコスト低減・運賃低減を図っている近距離航空会社である。 ボクも2004年頃から、たびたび使ってきた。ただし、こうした格安エアは長短がある。それを、先日地中海のマルタ共和国に夏休みに行ったときの経験をもとに説明しよう。 航空会社は格安エアの最大手で、アイルランドを本拠とするライアンエアRyanairである。ちなみにボクは最初読み方がわからず、しばらくの間「りゃんエア」と読んでいたという恥ずかしい過去をもつ。 同社のサイトから予約にかかる。こうしたエアラインは、原則として早期予約ほど安い。ボクも出発1カ月半前の5月頭に、予約にトライした。 おかげさまで運賃は女房とふたりで、往復たった29.98ユーロ(約5千円)と出た。 スーパーで1週間分の食料を買っても9千円が吹っ飛んでいくこの時代に、奇跡的値段である。 ■喜ぶのは、まだ早い しかし格安エアの達人は、ここで喜んではいけない。その2.2倍にあたる68.02ユーロの税金が加わる。 さらに最近は「預け手荷物料」が存在する。 「短期の出張ならまだしも、普通の旅なら最低ひとつスーツケースがあるだろうに」とも思うのだが。これが2人で36ユーロだ。それも一般的な20kgではなく15kgだ。 スーツケースを預ける人はネットでチェックインができないため、「空港カウンターチェックイン手数料」というのも加わる。これらは他の格安エアラインも導入している。 そして最後に、これまた他の格安エアも実施しているカード引き落とし手数料が加わり、最終的には2人で166ユーロ(約2万7千円)になってしまった。 また申し込み画面上で、「旅行保険」や「優先搭乗サービス」にあらかじめチェックマークが入っているのも要注意である。 ライアンエア社は創業以来のライバルである英国航空(BA)に対抗するため、「我が社は燃油サーチャージを一切頂きません」といった攻撃的ともいえるメッセージをたびたび発してきた。だがその傍らで、格安エアラインはユーザーが戸惑う難解な料金体系がまかり通っていることも事実だ。 それらはEU委員会からも過去に指摘され、つい5月にも改めて是正が指導されたものの、いまだ完全な改善には至っていない。 ■2ユーロでフィアット500 いっぽう実際の機内では、「近距離の旅なら、これで充分じゃないか」と納得するものが多い。 荷物入れの蓋にはネット系銀行の広告が貼られている。以前ロンドン便に乗ったときは、チョコレートの広告が壁や頭上、さらに背もたれの頭カバーにも広告が書かれていた。いずれも広告溢れる電車通勤に慣れた身には、さほど目障りではない。広告収入で航空会社が潤い、ひいては航空券が安くなるのなら大いに結構である。 久しぶりに乗るライアンエアはシートポケットも省略されていた。かわりに非常用設備の説明は、前席バックレストの裏側にステッカーとして貼り付けられていた。 あの「防水ゴミ入れ袋」もない。昔日本で観光バスのポケットに青いビニール袋が入っているだけで「酔いますよ」と言われているようで気持ち悪くなっていたボクとしては、かえって無いほうがありがたい。 離着前と着陸後には、ライアンエア社のコマーシャルソングである「ねこふんじゃった」の替え歌が賑やかに流れる。中学生の頃、FMラジオで故・城達也の「ジェットストリーム」を毎晩聴き、空の旅に夢を抱いていたのを思い出すと複雑な心境になる。だがそれだけ飛行機が現実的なものになった象徴というわけで、これも許そう。 飛行中、客室乗務員は到着空港から市街までの割引バス券販売もこなす。乗客にとっても便利、かつ航空会社にとっても小さな収入となるわけだ。 軽食メニューや機内誌は、希望する客だけに配り、読後不要な客からは回収する。 こうしたコスト低減策の一部は、日本をはじめ各地の新興航空会社でも実施されている。 ただし客室乗務員の「のり」が良いのが欧州の格安エアの特徴であろう。アナウンスには、アドリブが連発する。ちなみに以前乗ったイージージェット社の機内では、「今日もとびきり可愛い客室乗務員を取り揃えております!」などというのもあった。 ライアンエアでは、スクラッチ式インスタントくじも導入されている。1枚2ユーロで、100万ユーロもしくは新型フィアット500が2台当たるというものだ。広告には以前の景品であるBMWミニやルノー・メガーヌ・カブリオレが当たった乗客が、飛行機の前でガッツポーズする写真が載っているではないか。 出発地が宝くじ好きの人が多いイタリアということもあって、行きの便を見ていると6~7人が宝くじを購入していた。 ところがこともあろうに、宝くじを持った客室乗務員がもういちど巡回する前に、ボクは眠りに入ってしまった。 ライアンエアの発着空港は最寄のフィレンツェではなく、ピサからしか飛んでいない。格安航空会社は少々遠くても着陸料の安い空港を好んで使う。我が家のあるシエナからピサまでは150kmだ。東京-浜松間に匹敵する。そこまで行くだけで疲れてしまったのだ。 目覚めたときには着陸態勢に入っていて、客室乗務員は各自のシートに着いていた。 ■驚愕の機内誌 さて後日家に帰ってから、もらってきた機内誌をぱらぱらとめくっていると、水着の女性が載っているページがあった。なんとライアンエア社のポーランド人客室常務員だった。 解説によると、ライアンエアには客室乗務員がモデルを務めたチャリティカレンダーというのがあって、6月は彼女がそのままのビキニ姿で登場しているというのだ。 さらにコメントによると、ある日イケメン男性乗客から宝くじ代金といっしょにロマンティックなメッセージを渡されたという。「その彼が、今の私のボーイフレンドよ!」という落ちまで付いていた。 他社の機内誌では、なかなかお目にかかれないストーリーだ。 かくも欧州の格安エアラインは、驚きに満ちている。 小心者ゆえ客室乗務員に甘いメッセージを渡す勇気はないが、とりあえず次回は「2ユーロでフィアット500」を狙おうと思っている。 アサヒ・コムトップへプロフィール 大矢アキオ 歌うようにイタリアを語り、イタリアのクルマを熱く伝えるコラムニスト。1966年、東京生まれ、国立音大卒(バイオリン専攻)。二玄社「SUPER CAR GRAPHIC」編集記者を経て、96年独立、トスカーナに渡る。自動車雑誌やWebサイトのほか、テレビ・ラジオで活躍中。 主な著書に『イタリア式クルマ生活術』、『カンティーナを巡る冒険旅行』、訳書に『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(いずれも光人社)。最新刊は、『Hotするイタリア―イタリアでは30万円で別荘が持てるって?』(二玄社)。 朝日新聞 - 2008年6月26日 ヨーロッパ空港ガイド Europe Airport Guide プエラリアバストクリーム ブラヴィ エヌナノ アフターシェイブジェル D&G サンドパイパー クロノグラフ D&G グースGOOSE クロノグラフ 勃起不全ED 昆布の王様 King of Konbu 通販 カルティエCartierパシャ 通販 パチンコ CRフィーバー創聖のアクエリオン攻略法 CRパチンコ黒ひげ危機一発2攻略法 老眼治療 レーシック 電子マネー 種類比較 PR |
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